全館空調システムは、家全体を一定の温度で保つシステムを指します。24時間稼働しているため、電気代が高くなるというイメージがあるかもしれません。しかし、各部屋のエアコンを稼働させる場合と比較すると、必ずしも高額になるとは限りません。本記事では、全館空調のランニングコストについて、エアコンと比較しながら解説します。
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全館空調のランニングコストはどれくらい?
全空調システムは、建物内の室内機から供給される空気を、ダクトを通じて家中に伝える仕組みです。家全体の温度を常に一定に保つことができるため、個別のエアコンの調整などが必要なく、快適な環境を維持できます。また、温度だけではなく、空気も清浄に保つ性能をもつものもあります。
24時間稼働しているという事実から、電気代が高くなるというイメージをもつ方もいるでしょう。しかし、全館空調は一律に電気代が高額になるということはなく、環境によっては、むしろ電気代を抑えることも可能です。
基本的には、エアコンと大差ないランニングコストを維持することができます。システムの仕様によって異なるものの、目安としては、一般的な戸建ての場合で月に1万円を切るほどの金額です。
全館空調VSエアコン!冷暖房費はどちらが安い?
全館空調を検討する際、エアコンと比較した場合のランニングコストを懸念されている方が多いでしょう。環境や条件によって、総合的な維持費も異なるため、様々な視点から両者の費用を比較してみましょう。
新築物件であれば全館空調が有利
2023年の現在に建てられる新築戸建ては、気密性や断熱性などの性能が高く、外気の影響を受けづらい仕様になっています。そのため、全館空調を使用した場合に、外部に空気が漏れないため少ないエネルギーで全館の空気を調整することが可能なのです。
断熱性は、外皮平均熱貫流率と呼ばれるUA値、気密性は相当隙間面積をあらわるC値を参考にし、それぞれ住宅の省エネ基準であるZEH(ゼッチ)を満たす住宅が望ましいです。
必ずしもエアコンが安いとは限らない
全館空調は、空調システムを常時自動運転しているため、電源をオンオフする際のエネルギーが発生しません。よって、エアコンを何度もオンオフするよりも、年間の電気代は安くなる傾向にあるのです。
よほど古い住宅でもない限り、ランニングコストは全館空調のほうが安いという事例が多くあるため、住宅の性能を考慮しつつ、検討することが得策でしょう。
初期費用やメンテナンス費が高額となる場合がある
ランニングコストにおいてメリットがある全館空調ですが、初期に導入する室内機は最低でも100万円は必要であり高額です。空気清浄などの付加価値を加えるほど、金額は増加する傾向にあります。
また、導入してから永遠に使えるわけではなく、10年を目安にメンテナンスが必要です。一度のメンテナンスの相場は数万円ですが、仮に故障が見つかるとその間冷暖房の機能が使えないため、エアコン対応など付随する費用がかかることとなります。
定期的な費用であるランニングコストに加えて、不定期で発生する費用も加味しましょう。
全館空調のランニングコストを抑える方法
気密性・断熱性の高い住宅でより付加価値のある全館空調ですが、工夫次第でさらにランニングコストを抑えることができます。全館空調の特徴や仕組みを把握し、費用削減のための有効活用をしましょう。
家の気密性・断熱性を高める
気密性や断熱性が高い住宅の場合、より全館空調の電気代を節約できます。しかし、住宅構造を変えなくても、日差しが強い真夏にカーテンやブラインドを閉めておくことで、室内の気温上昇をある程度低減できます。
また、シャッターがある住宅では、真冬の夜はシャッターを閉めておくことである程度の気密性を確保できます。このような事例でも、室内の温度を一定に近づけられるため、全館空調の温度変化を最小限に抑え、費用逓減につながります。
自動運転の風量設定にする
全館空調の風量は、基本的には自動運転が望ましいです。風量は弱めるほうが電気代の節約になる思われる方もいるかと思いますが、自動運転は設定温度に到達させるために最も効率のよい風量で運転する設定です。そのため、弱設定の場合は設定温度に到達するために非効率的な風量で運転することになります。
暖房設定時は加湿器を併用する
冬季には、全館空調に加えて加湿器を併用しましょう。乾燥した部屋よりもある程度の湿度がある部屋のほうが、体感温度で数度は変わるというデータがあります。温度の上げすぎにより電気代を高騰させないために、加湿器で設定温度を適正に維持するよう意識しましょう。
まとめ
本記事では、全館空調のランニングコストや電気代を抑えるポイントについて解説しました。24時間機能することから、電気代が高くなると思われがちですが、住宅の性能や工夫次第で、ランニングコストはエアコンよりも抑えられる場合があります。また、日ごろからカーテンや加湿器などの利用により、室内の温度の乱高下を抑えることで、さらなる期待低減が期待できます。新築などに全館空調を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
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