全館空調システムの導入で後悔しないために知っておくべきこと

公開日:2025/04/15
全館空調システムの導入で後悔しないために知っておくべきこと

全館空調システムの導入は「やめておけ」といわれがちな側面があります。もちろん鵜呑みにする必要はありませんが、設置後に後悔しないために知っておくべき点が多くあるのも事実です。本記事では、全館空調システムについて徹底的に解説するので、注文住宅に設備を導入したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

全館空調システムの仕組み

全館空調は、住宅全体の温度管理と換気を連続的におこなうシステムです。全館空調システムを理解するためには全館と空調のふたつの概念を理解する必要があります。

全館とは、リビングや子供部屋だけでなく、トイレや廊下なども含む住宅全体を指し、対して部分とは特定の居室だけを温度調整する方法です。一般的な家庭では、ルームエアコンを各部屋に設置し、必要な場所だけを間欠的に冷暖房する部分間欠空調が主流です。

部分間欠空調の場合、各室に室外機も設置しなければならず、エネルギー効率が低くなりやすいです。一方全館連続空調は、屋根裏や階間に一台の空調設備を設置し、熱交換ユニットを用いて換気を行います。

全館連続空調システムでは、ダクトやエアチャンバーを介して各部屋を接続し、室温を集中管理できます。全館連続空調を導入すれば、家全体の温度が一定に保たれ、24時間換気ができます。全館連続空調は特定の空調機器と換気設備が必要ですが、室外機は一台で済むため、設置コストやスペースの面でメリットがあります。

類似のシステムに床下空調がありますが、床下空調はルームエアコンを床下に設置し、温風を床下から各部屋に送る方式です。床下空調は、暖房に特化したもので冷房には不向きなため、別途冷房用の設備が必要です。

さらに、24時間換気をおこなうためには、別の換気システムを設ける必要があります。ダクト接続型全館連続空調は熱交換型換気機能があり、全室の温度管理を効率的におこなうため、エネルギー効率や快適性に優れています。

これに対して床下空調は設置が簡便ですが、冷暖房を同時に行えないため、使用目的に応じた選択が重要です。全館空調は、居住空間の快適性を高めるための有効な手段であり、日本の住宅においても注目されています。

全館空調システムを導入するメリット

全館空調は、快適な住環境を提供するために多くのメリットがあります。以下に主な5つの利点を詳しく説明します。

ヒートショックの防止

全館空調の最大の利点は、室温の均一性を保ちヒートショックを防げる点です。ヒートショックとは、急激な温度変化により体がダメージを受ける現象で、とくに冬の入浴時に問題になります。

全館空調を導入すれば、脱衣所やトイレなどの補助的な空間も快適な温度に保たれ、入浴時の温度差が軽減します。室温を均一に保つと、家庭内での事故や健康被害を減少できるでしょう。

良好な室内空気環境の維持

ダクト接続型の全館空調は、常に換気機能を兼ね備えています。新鮮な空気と温度調整された空気との入れ替えが行われるため、室内の空気環境を良好に保てます。現行の建築基準法では新築住宅に24時間換気が義務付けられているため、全館空調システムは規定を満たしつつ、より快適な換気を実現できるのです。

インテリアデザインへの配慮

一般的なルームエアコンは壁に取り付けるため、インテリアデザインに影響を与えがちです。

しかし、全館空調では空気が天井から吹き出すため、デザインを損なわずに快適な空調が可能です。床下エアコンも床のガラリから温風を送る方式で、インテリアにも馴染めるようなデザインが特徴です。

メンテナンスの簡素化

全館空調では、1台または2台の機器で全体を管理するため、メンテナンスや交換が一箇所で済みます。メンテナンスの手間やコストを削減でき、定期的なメンテナンスの計画も立てやすくなります。

一方、複数台のルームエアコンを設置する場合は、メンテナンス時期や業者手配が面倒になる場合があります。

ドアの開閉に影響されない空調

部分間欠型空調の場合、隣接する部屋間でドアを開けておかないと空調が効きにくくなります。しかし、全館空調では各部屋に直接温度調整された空気が届けられるため、ドアの開閉に関係なく快適な環境を保てるようになります。

全館空調システムを導入するデメリットとその対策

全館空調は、快適な室内環境を提供する一方で、いくつかのデメリットや注意点もあります。全館空調の課題を理解しておくと、導入後の後悔を避けられるでしょう。

初期コストとランニングコスト

全館空調は初期費用が高く、ダクト工事や専用機器の設置が必要です。壁付けのルームエアコンに比べて設備投資が大きく、故障時の部品交換や修理費用も高額になりがちです。ただし、長期的に見るとランニングコストやメンテナンス費用が抑えられる場合もあります。

故障時の空気環境悪化

全館空調が故障すると、換気機能が停止するため、室内の空気環境が悪化する可能性があります。故障時の緊急対策を事前に考えておく必要があります。

高い電気代

常に稼働させる必要があるため、電気代が高くなります。気密性や断熱性を向上させればコストを抑えられますが、気密性や断熱性を高める適切な住宅設計が求められます。

メンテナンスコスト

ダクト接続型の全館空調は、一般的にメンテナンスにコストがかかります。定期的なフィルター清掃や部品交換が必要ですが、適切な管理を行えば故障のリスクを軽減できるでしょう。

湿度調整の難しさ

室内の湿度が調整しにくいという問題もあります。乾燥や湿気が気になる季節には、適切な加湿や除湿をしなければなりません。

温度設定の難しさ

全館空調では、室内全体の温度を均一に保ちにくいうえに、家族の好みの温度が違っていると調節が難しいです。とくに温度差が大きい時間帯には注意が必要です。

臭いやカビの懸念

ダクト内に埃や湿気が溜まると、臭いやカビ、ダニの発生原因となります。定期的な清掃や運転を続けて臭いやカビの発生を防ぎましょう。

運転音

全館空調の運転音がうるさいと感じる人も多いです。設置場所を工夫したり、音の出ないタイプを選ぶと軽減できます。

掃除の手間

フィルター掃除が手軽でないため、放置するとトラブルの原因になります。フィルター交換が不要な機種や、専門業者による定期清掃が推奨されます。

まとめ

全館空調システムの導入は、快適な住環境を実現する一方で、多くの注意点やデメリットも存在します。初期コストの高さやメンテナンスの負担、故障時の空気環境悪化などは事前に把握しておくべき重要な要素です。一方、ヒートショックの防止や良好な室内空気環境の維持、インテリアデザインへの配慮など全館空調の利点も多く、家全体を快適に保つための有力な選択肢となります。導入を検討する際は、全館空調のメリットとデメリットを十分に理解して、自分たちのライフスタイルに合ったシステムを選ぶことが、後悔のない住まい作りにつながるでしょう。

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