全館空調設備の設置費用・電気代・メンテナンス費用の相場を解説

全館空調設備を導入すれば、家のなかを年間を通して快適に過ごせるようになります。しかし、全館空調設備の導入を検討する際に真っ先に気になるのが、設置費用や維持費ですよね。本記事では、全館空調の設置費用、月々にかかる電気代、メンテナンス・修繕費用の相場について詳しく解説します。

全館空調設備の設置費用の相場

全館空調システムの導入費用は、一般的に100万円から300万円程度が相場とされています。相場価格は、40坪程度の住宅を基準にしたものです。また、全館空調の導入費用は、空調室の有無や制御システム、配管の複雑さなどによって変動します。

さらに、除湿機能や加湿機能、空気清浄・脱臭機能、部屋ごとの温度設定機能、タイマー機能などの付属機能が多いほど、総費用も高くなります。

たとえば、40坪の住宅で4LDKの間取りで、エアコンを5台設置するとしましょう。エアコン1台あたりの費用を5万円から10万円とすると、5台の設置費用は25万円から50万円程度になります。

導入費用だけで見ると全館空調の方がコストが高く感じられるかもしれませんが、長期的なメリットを考慮すると、妥当な金額といえるでしょう。全館空調は住宅の建設に付随する設備として位置づけられるため、住宅ローンに含められます。

ローンに含めると支払いを分割でき、住宅控除の対象にもなります。固定資産税の対象にもなりますが、個別の冷暖房器具を購入する場合、費用は個人の買い物扱いとなり住宅ローンには含まれません。

全館空調の導入費用を35年ローンに組み込む場合、月々の支払いが3,700円から8,000円程度の増加が見込まれます。

全館空調利用による月々の電気代の相場

全館空調の電気代は、一般的に月平均8,000円から1万5,000円程度です。

しかし、実際の電気代は住宅の広さや性能、使用環境によって変わります。

とくにオール電化住宅の場合、食洗機や浴室乾燥機、24時間換気システム、IHクッキングヒーターなどの電気代が加算されるため、月額1万5,000円から1万6,000円程度が一般的です。そして、電気代を抑えるためには、いくつかの方法があります。

自家発電システムを導入する

ひとつは、太陽光発電やエコキュートといった自家発電システムの導入です。自家発電システムで作った電気を利用すれば、外部からの電力依存を減らせます。

省エネ性能の高い冷暖房機を導入する

省エネ性能の高いヒートポンプ式冷暖房を導入すると、より効率的に電力を使用できます。

住宅自体の断熱性能を高める

全館空調やその他の冷暖房器具を快適かつ低コストで利用するためには、住宅自体の断熱性能や気密性能が重要です。断熱性能が不十分な住宅では、外気の熱が壁を通じて室内に侵入しやすく、空調システムを常に最大稼働しなければいけません。

そして、結果的に電気代が高くなる傾向があります。したがって、どんなに優れた空調システムを導入しても、住宅の基本性能が低ければ効果が半減してしまうのです。

電気代の悩みについては専門ガイドやFAQを参考にするのがおすすめ

電気代に関する悩みや疑問については、さまざまな情報が提供されています。

とくに、全館空調に関する具体的な疑問や解決策を知りたい場合は、専門的なガイドやFAQを参考にするのがよいでしょう。専門ガイドやFAQを参考にすれば、自分の住宅に最適な冷暖房の選択肢を見つけられるはずです。

全館空調設備のメンテナンス・修繕費用の相場

全館空調システムは、快適な室内環境を提供してくれますが、定期的なメンテナンスが必要です。空調設備が故障した場合、全体が使用できなくなるため、メンテナンスを怠ってはいけません。

年間のメンテナンス費用

年間のメンテナンス費用は1万円から2万5,000円程度とされ、フィルター交換の費用は1,500円から5,000円が一般的な相場です。メンテナンス費用を計画的に予算に組み込んでおきましょう。

さらに、全館空調の耐用年数は約10年とされており、多くのメーカーはこの期間に合わせた10年保証を提供しています。保証期間内であれば、修理代金は無償で対応されるため、トラブルが発生した際の経済的負担が軽減されます。

しかし、保証期間を過ぎると修理費用が発生する可能性があるため、各メーカーの保証内容を事前に確認しておくのがおすすめです。

全館空調の修繕代

全館空調の修繕代の目安は、40万円から50万円程度とされています。通常は大規模な修繕は必要なく、パーツの交換程度で済む場合がほとんどです。

メーカーの保証期間内であれば修繕も無償で行われますが、耐用年数を過ぎると大規模な修繕が必要になると理解しておくべきです。全館空調システムを導入する際は、メンテナンスや修繕にかかる費用を事前に理解し、適切な予算を立てる必要があります。

長期的な視点で考えると、定期的な点検や修理を怠ると、結果的に高額な修繕費用が発生するかもしれません。信頼できる業者やメーカーとの長期的な関係を築いておきましょう。

まとめ

全館空調設備の導入は快適な住環境を実現しますが、設置費用や維持費も考慮しなければなりません。設置費用は一般的に100万円から300万円で、付帯機能によって変動します。また、月々の電気代は8,000円から1万5,000円が相場ですが、住宅の性能や使用状況に影響されます。電気代を抑えるためには、自家発電システムの導入や断熱性能の向上が効果的です。さらに、年間のメンテナンス費用は1万円から2万5,000万円程度で、耐用年数は約10年とされています。修繕費用は40万円から50万円が一般的ですが、保証期間内であれば無償対応が多いです。本記事でご紹介した情報をもとに、全館空調システムを賢く選び、快適かつコストパフォーマンスに優れた住環境を手に入れましょう。